青魚に着いている寄生虫について
サバ、アジ、イワシ、サンマ、サケ、イカ、カツオなどの魚介類に付いている寄生虫の
「アニサキス」
による食中毒が多発している。
アニサキス(学名:Anisakis)
アニサキスの特徴としては
体長2〜3㎝糸のような幼虫は魚の内臓に寄生し、水揚げされて時間が経つほど、内臓から筋肉(身)に移動しやすい。
最終宿主は主にイルカやクジラなど海生哺乳類で、成虫はその腸管に棲息する。
卵は排泄物とともに海中へ放出されて孵化し、甲殻類に寄生して第3期幼虫まで発育する。
魚の身を生で食べると寄生虫が着いていると幼虫が胃の中の壁を傷つける。
そうすることによって異物を排除しようとする反応が胃の中で起き、平均6〜8時間ほどのみぞおちの激痛や嘔吐の症状が出る。
アニサキスは幼虫は、酢や塩に漬けても死なない。
厚生省は予防策としては
○70度以上での加熱
○零下20度で24時間以上冷凍
○ 幼虫がいないかを目で確認して取り除く
○新鮮な魚を選び早めに内臓を除く
以上の4点である。
アニサキスによる具体的な食中毒の症状
▲急性胃アニサキス症
食後数時間後から十数時間にみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
▲急性腸アニサキス症
食後十数時間から数日後に、激しい下腹部、腹膜炎症状を生じます。
以上の点に注意して気をつけてください。
アニサキス症の治療について
○ステロイド系抗炎症薬と抗アレルギー薬を投与すると駆虫は出来ずとも症状が軽快する症例があることが報告されている。
○正露丸に含まれている木クレオソートにはアニサキスの運動抑制作用があり、症状の改善が期待できる。また内視鏡での摘出の際に前処置薬としても有効性が期待できる。